Last update:2017.12.01
珍しく開場時間前に到着。風知空知へは何度か来ているが、初めて左手螺旋階段に番号順に並ぶ。一段ごとに番号が貼ってあるため、案内もシンプルで分かり易い。雨も小降りになり、屋根がない上階に出ても苦にならなかった。
渡辺シュンスケ、上田健司がステージに登場し、まずはみんなで乾杯。
「シュンちゃんでーす」
「ケンちゃんでーす」
「二人合わせてシュンチャンケンチャンショー。まずはジングルから」
と、シュンスケはピアニカ、ウエケンはウクレレで演奏が始まった。
オープニングから心温まるコラボレーションは、ウエケンの MOIL & POLOSSA から『ポプラ並木』インストゥルメンタルバージョン。
次はシュンスケソロタイム。
「この曲でデビューしました」
と『newdays』。2010年デビューだから7年、まだまだ…と言いながら、その前に cafelon でデビューしたんだった、と思い出したように。
今年は Cocco 20周年のサポートも入ったり、柴咲コウも歌手15周年ということで、数日後にサポートの公演を控えていた。その合間に自分の活動をしている。
「来年アルバムを出せたら」
と演奏の新曲『seeds』は、バンドバージョンではどのようなアレンジになるのか楽しみだ。
再びウエケンがステージに登場すると、
「うまいね」
「(Surface のキーは)F♯?なるほどねー」
「ダンパーいいよね」
「(Seeds は)種って感じがするね!」
などとシュンスケを褒めまくり、二人の趣味の共通点でもある村上春樹の作品についてや、昔シュンスケが加計呂麻島に行った時のエピソードなど、しばらくゆるい会話が続いた。
ウエケン選曲の『雨音はショパンの調べ』、シュンスケ選曲は『Baby Blue』のカバー曲を披露し、ここで休憩。
二部は、ウエケンソロタイムから。
2曲ほど歌ったところで
「今のは10年ぶりくらいに歌ったなぁ。次は何を演ろうかな?1と2どっちがいい?」
と客席に問いかける。
即座にレスポンスがあり、2の『ピンクノイズ』に。
シュンスケも、袖のカウンターに寄りかかって聞いている。
そしてここからシュンスケ登場の予定らしかったが、そのタイミングで用を足しにいってしまい、一人手持ち無沙汰になるウエケン。
それを見て
「1の曲は何だったんですか?ワンコーラス聞きたいです」
と客席から声がかかり、快く応じて『水時計』。
素敵な連携により、1曲得をした気分。
シュンスケが戻って来て、もう一度みんなで乾杯。
制作関連の話など、普段は聞けないようなトークもあり、詞が先で曲を作るタイプという二人は、ウエケン曰はく相思相愛らしく、共感し合っていた。それでも、1日5箱も電子タバコを吸うというシュンスケに、
「吸いすぎでしょ」
と、ちょっと呆れ心配するウエケン。
ひとしきり喋ったあと、シュンスケ(Schroeder-Headz)の新曲、雪が降った日の喜びを表現したという『Day of a Snow』をピアノ連弾で。
演奏前に、雪国育ちのウエケンが
「雪が白くて良かった。黒くなくて良かった」
と言ったのを受けて、途中、
「あっ、黒い雪が降ってきたぞ」
とシュンスケが言うと、ウエケンの演奏が吹雪く漆黒の世界に飲み込まれるような曲調に変わった。
来月レコーディングをするとのこと、この曲も多くのファンに届けてもらえそうだ。
二人で面白いことをしようと思って、と続くコーナーは、中原中也の詞を朗読。シュンスケのピアノに合わせてウエケンが『サーカス』そして『骨』を読む。
風知空知いっぱいに揺れるブランコが、目に見えるようで、まるでラジオドラマを聞いているような気がしていたら、ウエケンはラジオパーソナリティの経験も長いとのこと、頷ける。
ウエケンのウクレレとで聞く『凹凸バイ』は、やりきれなさの中でも淡々と前に向かう感じがした。
出かける直前に受け取った、どうにもならない知らせが頭をよぎる。大したことじゃない、と自分に言い聞かせても、浮かない気持ちで、それでも素知らぬふりで進むしかない。そんなことを考えながら聞いていた。
最後アンコールはピアノ連弾を即興で。左右入れ替わったり、二人の駆け引きなども面白い。
二人でツアーを回りたい、(ウエケンの地元でもある)北海道に行きたいという話も出たので、今後の活動も楽しみだ。
出演:上田健司/渡辺シュンスケ
Set List
- シュンチャンケンチャンショージングル
- Petal
- newdays
- seeds
- Surface
- 雨音はショパンの調べ [小林麻美]
- Baby Blue [Fishmans]
休憩
- 乱れてロンリー
- カノン
- ピンクノイズ
- 水時計
- Day of a Snow
- サーカス [中原中也](朗読)
- 骨 [中原中也](朗読)
- 凹凸バイ
- ポプラ並木
- samida-rain
encore
- 連弾