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『シンシュンシュンチャンショー 2020』@CLUB Que


Last update:2020.01.10

今日は残りの人生の

最初の1日なのです

 

客席の照明が落ち、cafelon「the sunday driver's technique」が流れると、両手をぐるぐる、泳ぎながらステージに登場のシュンチャン。

佐野元春 & THE COYOTE BAND「インディビジュアリスト」で"暴走"したという噂は、こんな感じだったのだろうか?と、昨年ツアーでの逸話が過る。

 

ステージにはキーボードと機材が少々。

オケ付きで、昨年12月に発売になったばかりのニューアルバム『Guest Suite』から、「Happy Hour」「Brand New Season」でシュンチャンのワンマンショーが始まった。

 

「Brand New Season」は元々「Happy Hour」というタイトルだったのが、1曲目に演奏したもっとHappy Hourな曲ができたので、変えたとのこと。

 

 

cafelonの「背番号」「コーヒー」は最近の"定番"になりつつあるように思うが、そもそもシュンチャンの歌を聞けるチャンスが少ないし、未発表曲(背番号)、廃盤で入手困難(コーヒー)のためライヴでしか聞けない。とても貴重な機会。

 

「Petal」はゆったりした曲だが、ピアノを弾きながらつまみを回したり、あちこち機材操作に余念がない。花弁という意味で、植物の時間の流れを表現したような曲。人間の目には変化がないように感じても、ゆっくり育つ中、見えない何かは忙しく動いているのだろう。それをまさにその手の動きが物語っているように思った。

 

Coccoサポートで初めて呼ばれて行ったとき、

「シュンスケのピアノはふあ~っとして桜みたい」

と言われ(「でも違うの!」とも言われたそうだが)そうか!と気付いてハルシュラができたそう。

「春が好きで桜が好き」

とよくライヴで話すシュンチャンらしい一曲。2018年リリースの比較的新しい曲ながら、最早Schroeder-Headz の代表曲と言っても過言ではないだろう。

 

「昨年西表島を旅行した時のお裾分け」

とスマートフォンから波の音をマイクに。その音をバックに「Wildthing's Arm」

「波の音は聞いていて飽きない、地球は偉大なアーティスト」

と名言を残す。

 

昨年のシンシュンシュンチャンショー東京キネマ倶楽部ではスペシャルゲスト玉井一人が朗読した「44」を、シュンチャン本人の朗読で弾き語り。

あと何回・・・

とくり返す言葉が、その声が、心に響く。

 

続く「凹凸バイ」

この日、あわやドタキャンか?と思うほど午前中は不調で起きられず。ひとつのきっかけからなんとかこうしてここに居られることを思い出し、明暗というか、ついさっきまでの気持ちが浮き彫りになる。今、良かった!と思える代わりに、もしかしたら、こんな気分で迎えていた夜だったかもしれない。そういう、光が当たらず陰になってしまった気持ちにも、寄り添ってくれるような歌。

 

そして「newdays」

ライヴで聞くのは久しぶりだ。「newdays」は曲そのものもさることながら、奏でる姿と手がとても魅力的だ。その手が紡ぎ出すメロディは、日々の積み重ねそのもの。希望。

 

「最後の曲になってしまいました」

と「Surface」

ラストではルーパーでピアノを鳴らしたままに、ピアニカを吹きながら客席を回り歩く。Queでは珍しく椅子が用意されていたが、後方では立見の観客もおりファンを気遣う言葉も。

 

アンコール「ミラーボール」

名曲なのに、残念ながら未だ音源化されておらず。

「武道館でも歌ったことがあるんですよ」

という話に客席から驚きの声があがる。2011年の柴咲コウ武道館公演で、DVDにもなっているのだが、初めて知った時はやはり驚いた。柴咲がコーラスでレコーディングに参加したいと言っていた約束は、いつ果たされる日が来るのだろう?ずっと心待ちにしている。

 

「スペシャルゲストの到着待ち」

と言い「Blue Bird」をオケ付きで。ラッキー!

 

そしてスペシャルゲストとして、愚麗威凄(グレイス)。

昨年のシンシュンシュンチャンショー@東京キネマ倶楽部のゲストでもあり、2年連続の出演となった。

「最近、Que を出禁になりそうだと聞いたけど何したの?」

と愚麗威凄に問いかける。

「これが Queでグレさんの最後のステージになるかもしれません。ここに出られなくなったらどうするんだろう…」

と冗談めかして紹介するシュンチャンだが、今後も出演できるようにと願う、友情の執り成しだったようにも思えた。

 

最後は「手紙が届けてくれたもの "初恋ラヴァーズ・ミックス"」にのせピアニカを吹きながら客席通路を通って退場。この曲は、オフヴォーカルバージョンが Villeage Vanguard オリジナル特典になっていたが、このバージョンでの歌入りは初めて聞く。シュンチャンの姿が楽屋に消えてしまっても、最後まで聞き入っていた。

 

今年もよいライヴ初めになった。

ありがとう、シュンチャン。

改めて45歳おめでとう!


出演:渡辺シュンスケ

スペシャルゲスト:愚麗威凄

Set List

  1. Happy Hour
  2. Brand New Season
  3. 背番号
  4. コーヒー
  5. Petal
  6. ハルシュラ
  7. Wildthing's Arm
  8. 44
  9. 凹凸バイ
  10. newdays
  11. Sruface 

encore

  1. ミラーボール
  2. Blue Bird
  3. My Way <with 愚麗威凄>