Last update:2020.02.03
Schroeder-Headz「Guest Suite」② のつづき
- Pale Dream Swimmer feat. 武田カオリ
10/30に先行配信でリリース。このアルバムのために作られた曲で、武田カオリが詞を書き歌っている。タイトルもないまま曲を渡し依頼したとのことで、唯一の(杏仁ガールの副題は別として)"渡辺シュンスケ本人以外がタイトル命名した" Schroeder-Headz オリジナル作品ではないだろうか。
武田カオリとは TICA 結成前に知り合い、TICA のレコーディングやライヴサポートもしていたそうで、親交は古い。一度一緒にやってみたかった、と言う渡辺シュンスケの願いを叶える形で生まれた曲になる。
ジャジーなピアノと武田カオリのヴォイスとに、シンセサウンドが更なる揺らぎを増幅させる。西遊記を連想する、懐かしくも遠い楽園の匂い。
先行配信では歌詞が表記されず、耳コピーで書きとったのだが、見事にハズレていてショックだった。少し時間が経った今、読み比べてみるとなかなか面白いと思えるようになったので、恥を忍んでその一部を紹介する。
誤:Your Father in the sky.
正:You're floating in the sky.
つまり、神は天にいる…と受け取り解釈したのでビックリしたのだった。この勘違いが興味をそそり、更なる勘違いの耳コピーを重ねてしまう。
誤:Mountain get settle laid a hurt when a shine
正:Nothing can separate our heart rain or shine
これだけ全く違うと自分の耳に首を傾げてしまう。文法的にも滅茶苦茶なのだが、
輝く時、山も動き痛みを和らげる(超意訳かつ誤訳?)
と受け取った。つまり、そのくらい大きな力が働く時があるのだと。淡き夢。
勘違い甚だしいもいいところ。
誤:I'll be back to your sigh.
正:I'll be by your side.
こんな簡単なフレーズさえ聞き間違うとは。自信喪失。
しかし、と思う。
歌詞のないインストゥルメンタルでイマジネーションが自由ならば、聞き取れない歌詞のイマジネーションも自由で良いのではないか、と。
このファーストインプレッションは否定せず、大事にしたい、という思いもあり記しておく。
- Seeds feat. 関口シンゴ
関口シンゴとは、2016/8/11 WGT(Weekend Garage Tokyo)にデュオで初共演。(因みにその時の対バンが TICA だった)『Seeds』はその日演奏されたうちの1曲で、当時はまだタイトルがついておらず「シュンスケ Demo」として紹介された。その後二人は、2017年、2019年 ARK HiLLS CAFE の JAZZ FESTIVAL にも出演。
その経緯をライヴで見てきたので、前作アルバム「HALSHURA」収録曲ではあるが、むしろこちらをオリジナルと呼びたくなる。
アークヒルズの風を感じる。
ただ、玉木正太郎の口笛がこのバージョンではどこかよそよそしく、しっくりこない。同時録音ではなく編集したのだろうか?という印象。ライヴで生き生きした玉木の口笛を聞き慣れている分、余計に残念に思ってしまうのだが、気のせいだろうか。
- 杏仁ガール ~Far Eastern Tale~ feat. 土岐麻子
2013年夏のジャズフェスイベント用に、土岐麻子 meets Schroeder-Headz としてコラボレーションが組まれ、ツアーに発展し、その時初めて披露されたと聞いている。土岐麻子「Bittersweet」DVD付きのアルバムには、ツアーファイナル映像が収められ『杏仁ガール』も収録されている。また2014年に、Schroeder-Headz「Synesthesia リリースツアー」Shibuya WWW 公演で土岐麻子がゲスト出演した際に披露された様子が、DVD「LIVE -Synesthesia-」に映像収録されている。どちらもライヴ映像での発表だったので、今回は待ちに待った音源化と言える。
土岐麻子 meets Schroeder-Headz は見れず、アルバム「Synesthesia」で『Far Eastern Tale』を先に耳にした。そうしてライヴで『杏仁ガール』を聞いた当初は、やはり受け入れ難いものがあった。自分がオリジナルに抱いていたイメージとかけ離れていたのだ。
時を経たこともあるだろうが、アルバム「Guest Suite」収録にあたり歌詞を一部書き換えたとのことで、いいな!と思える仕上がりになっている。
そういえばいつかのライヴで、
歌詞を書き直すように言われた…
と不服そうな土岐麻子に、
そんな言い方してない。もっといいのができるんじゃないかなーって。
と慌てる渡辺シュンスケとのトークを思い出す。
今回の直しは、土岐麻子の自主的なものなのか、はたまた再度渡辺シュンスケから依頼があったのか?気になるところだ。
ざわめき
青い風車
どちらも "ザ" が耳障りに感じるのだが、際立って耳に残ることで返って印象的になっているようにも思う。
参考までに、コンピレーションアルバム「Scenes」に収録されている『Far Eastern Tale(杏仁ガール)vocoder mix』ではまた歌詞ののせ方が違うところがあったりと、よく聞くと細かいところにも手が加えてあることに気付き面白い。